1st EP「2+2」Interview -後編-

CDのみですがシークレットトラックとして「亡霊さん」が収録されているんですよね。

SYUTO:“2+2=4”で“4=死”で「亡霊さん」を表しています。

そんなギミックが隠されていたとは。この楽曲も初期からライヴでは披露されている楽曲ですよね。

SYUTO:そうですね。この楽曲は元々2000年代のような音像で僕としてはそれはそれで好きだったんですが、今作のコンセプトにおいて僕はこの曲をどうしても現代の音像にしたかったんですよね。「古い音像をやるからこそ、その比較対象として新しいものがないといけない」と思っていました。じゃないとこの音源だけ聴いた人に古いものしかできないバンドだと思われてしまう危惧が自分の中にあったんですよね。なのでこの曲は逆に現代の音像に聴こえるようにアレンジをし直しました。

逆エイジングということですね。

RENA:全員前のアレンジでレコーディング終わってたんですけどね…(笑)

SYUTO:本当に申し訳ないけど、これではどうしても許せないのでまたアレンジし直すからもう一回レコーディングをお願いしますと、何度も文章を書き直しながらグループLINEでお願いしました(笑)

平:気使わずに言ってくれていいのに!

SYUTO:本当に申し訳ない!

RENA:あんたがプロデューサーだから!

ということはこの曲も元々の状態からガラッと変化しているということですよね?

平:元々は僕がこういうテイストの曲がやりたいってシュートマンにリクエストした中から形になったものの一つが「亡霊さん」なんですけど、そこからバンバン変わっていって、今では僕がやりたかった「亡霊さん」の姿は見る影もないし、もはや僕がやりたかった「亡霊さん」ではないです(笑)

SNSでSYUTOさんがCDへのこだわりを話していたかと思いますが、こういったシークレットトラックが入ってるというところも含めてCDならではの楽しみと言えますよね。

SYUTO:現代社会における問題として、あらゆる物が効率化や簡略化されていく中で、それと同時に削ぎ落とされていくものがあると思うんですけど、そこで削ぎ落としてはいけないものまで一緒に削ぎ落とされる傾向があると思っていて。サブスクなんかももまさにそうで、効率化や簡略化がされてユーザーとしてはありがたいシステムではあるんですけど、CDのケースを開けて、CDをセットして、再生ボタンを押す時のあのワクワクは感じることができないですよね。

平:実際、今回のリリースの方向性を決める段階でCDで出すか映像で出すかの葛藤もあって、僕は今の時代映像を出さないとどうしようもないと思っていたんです。というのも、CDだけ作っても届かないとCDの力を信じてなくて。でも、シュートマンが盤の力を信じたいというので今回CDを作ったことで、僕自身間違ってたなとCDの力を再認識することができました。

実際に想定よりセールスもいいとおっしゃってましたが、実際の反響はどうですか?


平:いい意味で裏切られるっていう反応が多いですね。あとはうっかり聴いて、そこから抜け出せないでずっと聴いてるって人もいたりしました。多分初めて僕たちの音楽を聴く人たちからすると、想像するヴィジュアル系の音とかけ離れていて思ってたのと違う!ってなると思うんですけど、そういう反応を見ると気持ちいいですよね。

SYUTO:僕は言葉よりも音楽の方が伝わることが多いと思っているんです。ただ、音楽で何かを伝えようとした時に毎回上手く伝わるわけではないし、100%伝えるのってすごく難しいんですけど、今回に関しては僕たちが表現したかったことが、受け手の皆さんに伝わってるのが感じられて嬉しかったですね。

平:『2+2』を作るにあたって、さっきも話に出たように完成直前でアレンジが大幅に変わってレコーディングをし直したりもあって、ああでもない、こうでもないと苦労して作った作品で産みの苦しみもあったので僕たち自身も出来たものに満足しています。

RENA:CDのセールスがいいのが何よりの証拠だよね。

ちなみになぜ『2+2』というタイトルになったのでしょう?

SYUTO:“2+2”という数字を見たときにパッと“4”が浮かぶと思うんですけど、それが果たして考えて“4”になっているのか、思考停止して“4”になっているのかというところを考えたいという意味を込めて付けました。

なるほど。

SYUTO:それとはまた別に仮に“2+2=5”だと言って笑える余裕があるくらいが人間にはちょうどいいんじゃないかと思っていて、それが“4”でしかないのは窮屈すぎるし、想像力がない。日常において“2+2=4”じゃないことってたくさんあると感じていて。

RENA:世の中固定概念だらけですからね。

そういう意味では3470.monの音楽はヴィジュアル系の固定概念を覆す存在になりそうだなと感じますし、てんてんさん自身もジャンルの価値観を変えるための音楽と仰っていましたよね。

平:他のジャンルのイベントを見ると生き生きしてるなって思うので、もっとこのジャンルをなんとかしたいなとは思いますね。ヴィジュアル系って偏見を持たれがちですけど、ただ他よりも濃いメッセージ性を持ったロックバンドだと思っているので。

SYUTOさんはSNSで前作はポップな楽曲が多く、今作はマニアックな楽曲な楽曲が多いと評されていましたが、ポップとマニアックの基準はどこにあるのでしょう?


SYUTO:一回聴いた時にサビを覚えられるかどうかですね。例えば前作の『VHS』に収録されている「純潔さん」や「幻覚さん」なんかがそれに当てはまるかなと思っています。それに対して、今作は何回も聴けるものにしたかったという狙いがあったので、その辺がマニアックかなと思っている点ですね。

確かにずっとループして聴きたくなる音源ですよね。

SYUTO:今回の「2+2」の裏テーマとして「音楽の周期性」というのがあって、近年でも70年台や80年台にあったメロディをリバイバルさせた曲がチャートの上位にあるのを見て、音楽は今後も少しずつアップデートを繰り返しながら、一定の周期性を持って流行が周り続けると予想してるんですよね。だからこそ今回の音源は時代を遡るような並びにして、聴いていてなるべく飽きさせないようにしました。

平:ギリギリまでどうなるかわからない感じだったし、いい意味でシュートマンは暴走してましたけど、作曲以外のところでも色々考えて普通じゃない手法をとって作ったという点でもマニアックな音源なのかもしれないですね。

SYUTO:例えばYouTubeで何かが10000回再生されたとして、1万人が1回ずつ再生するのって全く意味がないと思うんですよね。そうならないためにも1人が何回でも再生できるようなものが作りたいですね。

こういったチルアウトミュージックをヴィジュアル系でやるバンドは少ないですし、逆にチルアウトミュージックにしっかりとヴィジュアル系としてのポップスの要素を落とし込んでいる3470.monは稀有な存在だなと感じます。生活に馴染むし、カフェで流れていても違和感がないのに、決して聞き流す事ができないキャッチーさも持ち合わせてるというか。


平:そっと近づいて上手に刺すみたいな音楽をやりたいんです。それは歌詞で使う言葉にも言えるんですけど、世の中的に未来に期待してる人が少なくなってきてるし、そういう負の感情をポップに伝えるというのが一番正しいのかなって。

二年目を迎えた3470.monはまだまだ底が見える気配がないのですし、まだまだ我々の予想を裏切ってくれる予感しかしないので今後がさらに楽しみになりました。

平:僕自身シュートマンのおかげでヴォーカリストとして日々アップデートできている感覚があって、自分でも数年先が楽しみです。

SYUTO:バンドにおいてヴォーカリストをどう良く見せるかというところが全てがかかってると思っているので、てんてんさんの可能性を少しでも広げたいんですよね。てんてんさんは僕にとって興味深い研究対象です。

平:また教授出てきてるし、目バッキバキで言われると怖いよ(笑)

SYUTO:これからもバンドの未来を少しでも良くするために毎日3470.monのことを考えて、毎日自分がやるべき事を淡々とクリアしていきたいですね。

RENA:変わらず色んな場所での活動を続けて、自分自身が成長し続ければ必ず自分のバンドに帰ってきた時に音楽が良くなると思うし、それはメンバー各々が個人の活動で吸収したものがあって、なおかつ信じてる先が一緒であれば3470.monが良くならないわけがないので、その共通認識を高めて目指したい場所を明確にこれからもっといいものが作れるような二年目にしたいですね。それに、やっと『VHS』から『2+2』を出して、自分が全て弾いた作品を出せたことで俺自身もやっと“1”になれたので、新たなスタートラインだと思うし一歩ずつ次のスタートを踏んでかっこいい活動をしてければと思います。

(取材・文 オザキケイト)

3470.mon Event「FLY ME TO THE MOON」& ONE-MAN


・2022.11/14(Mon) 新宿WildSideTokyo
2-MAN EVENT「FLY ME TO THE MOON」
出演:3470.mon / umbrella
OPEN:17:30 / START:18:00
前売:5,000円 / 当日:5,500円
TICKET:LivePocket (10/15 21:00~)
https://t.livepocket.jp/e/ev1114

・2022.11/21(Mon) 青山月見ル君想フ
3-MAN EVENT「FLY ME TO THE MOON」
出演:3470.mon / のろゐみこ / マツタケワークス
OPEN:17:30 / START:18:00
前売:5,000円 / 当日:5,500円
TICKET:LivePocket (10/22 21:00~)
https://t.livepocket.jp/e/ev1121

・2022.11/28(Mon) 新宿WildSideTokyo
3-MAN EVENT「FLY ME TO THE MOON」
出演:3470.mon / sugar in the closet / nurié
OPEN:17:30 / START:18:00
前売:5,000円 / 当日:5,500円
TICKET:LivePocket (10/29 21:00~)
https://t.livepocket.jp/e/ev1128


・2022.12/12(Mon) 青山月見ル君想フ
ONE-MAN
※詳細随時発表

・2022.12/26(Mon) 新宿WildSideTokyo
ONE-MAN
※詳細随時発表

1st EP「2+2」音楽ダウンロード&サブスク配信中


2022年9月19日より
3470.mon 1st EP「2+2」
音楽ダウンロード&サブスク配信中!

1.8G
2.パンドラさん
3.背景さん
4.酸欠さん

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